緊急支援策を大きく、1)融資と 2)助成金(給付金等含む)に分けて記載します。2020年4月16日現在の情報であり、日々状況とともに変更されている点ご理解ください。
1)融資
攻守どちらの姿勢にしても、まずは手元に資金を確保することが必要です。
お話の中で非常によく出る話題が、借入をしたくないというお話です。ようやく返済が進んだのに、借りても返せる見込みが、、等思いは非常によく理解できます。
改めて、もう一度事業への想い、意気込みを整理頂き、事業の廃止をセットで考えて頂き、事業の継続・存続についてご判断が必要と思います。戦略的撤退は非常に優れた判断でもあります。
A)借入前の判断
ポイントは以下2点です。
①3か月分以上のキャッシュが確保できているか
②借入の余力がどの程度あるか
①に関しては、高いハードルではありますが3か月分以上のキャッシュがあれば休業等の給与立替払いが可能であり、取れる施策が変わってきます。
さらに、新たに借り入れを起こす場合でも3か月あれば余裕をもって手続きが進められると考えられます。
②に関しては、一般論ですが以下の2点を考慮ください。
ア)借りやすい財務状態にあるか
イ)借りやすい銀行取引状態にあるか
ア)に関して、少し乱暴な考え方でありますが、現在の情勢を鑑みると借入月商倍率(借入残高が月商と比べて何倍か)が3倍以下であれば、かなり可能性があり、6倍までであれば可能性はあると考えられます。 (一般的に年間売上高である12倍以上となると借入が過大と見られやすいです)
もちろん、必ず借りれるというものでも無いですしこれを超えていても融資を得られる方もいらっしゃいます。1つの目安としてお考え下さい。
イ)に関して、まずはリスケ(借入返済条件の見直し)をしておらず「通常に返済をしている」(据え置き期間中でもない)場合、かなり有利です。少なくとも返済完了した分の追加については高い確率となると考えて良いと思います。
一方、リスケ・据え置きの期間である場合は返済計画を事前に予定していく必要があると考えます。
B)借入の具体的な手続き方法
借入を行う際のポイントは、①特例融資の対象となるか、②何を優先するか(時期・額・金利)です。
①に関して、基本的には前年同月対比で5%以上売上減少していない場合、特例融資の対象とならないことが多いです。業歴1年未満等救済措置はありますが、基準月があってそこから減収しているという形にならない場合(創業したて等)には、特例の支援を受けることは難しいと思います。
②に関して、現在借入はどこも非常に混雑しています。
平時から早く対応ができる政策金融公庫でも2か月、保証協会経由だと最初の面談まで2カ月以上かかる例も聞きます(いずれも地域や支店等によって異なります)
早さを優先する場合には、①政策金融公庫、②既存取引先の金融機関からの融資の2つが時間軸的に早いと考えられます。
①公庫の融資については、資料を事前に確認し作成・郵送(電子送付)が良いと思います。②取引ある金融機関はこういう時のための保険として付き合い(借入)している意味もあるので、積極的に連絡をして手続きについて協力を得てください。
区の窓口に行かずに融資を得られる可能性もあります。
注意すべきは基礎自治体の窓口での融資です。この融資はa)基礎自治体が保証協会に推薦(あっせん)し、b)保証協会が保証して、c)金融機関が融資するという3層構造になっていますが、それぞれの工程がオーバーフローしており、かなり時間がかかっています。都内の中心区では、aの予約が2か月後となっているという話も聞きます。
政策金融公庫 融資申込案内
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/covid_19_info_a.pdf
※事業者向けの支援策ではありませんが、収入が大きく落ち込み生活維持に支障をきたす場合以下の融資制度の活用も可能です。
■緊急小口資金、総合支援資金(社会福祉協議会)
貸付額:20万円以内
返済:無利子、1年据え置き 2年返済
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/seikatsu/koronatokurei.html
2)給付金・助成金
名前が「給付」「助成」等混在していますが、便宜上2種類に分けて説明します。
A)給付金関係
条件を満たすともらえるものであり、条件を満たしていることの証明が必要です。今回のみの支援策であることが多いです。
①国(経産省) 持続化給付金 最大200万円
②国(厚労省) 雇用調整助成金 一日当り最大8,330円(教育訓練加算+2,400円)
③東京都 休業協力支援金 最大100万円(2店舗以上)
④(個人向け)国(総務省)
生活支援臨時給付金 最大30万円
このうちの進捗度は以下の通りです。(4月16日現在)
①/④は予算通過待ちであり最短でGW明けに申請開始、
②受付可能、
③概要確定4月22日から受け付け開始
②の休業調整金については、休業をさせている等の方もいらっしゃると思いますが、少し制度が複雑なこともあり、別途記載いたします。
③の東京都の協力金については、業種ごとに該当の有無が明示されていますので自社が当てはまるか否かについて確認をください。
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1007617/1007665.html
①・④の申請はまだ余裕があり(申し込み方法等確定していない)、いますぐにできることは、ほぼありません。いずれも電子的な申請が可能となる見込みであり、操作方法等について詳細が分かり次第改めてご案内いたします。
B)補助金
平時からあるa)企画書を作成し、b)補助決定を受けた後に支出して、c)領収書等清算を受けるものです。重要な点はキャッシュは支出が先であり、補助決定を受けても支出ができない場合、清算(補助金の振込)は行われない点です。
主なものは以下3点です。
①販路開拓:小規模持続化補助金 最大50→100万円 補助率2/3
②設備投資:ものづくり補助金 最大1000万円 補助率1/2→2/3
③ITツール導入等:IT補助金 30~450万円 補助率1/2 このほか、各種該当の可能性がありますので「投資」をしようと思われる場合には、ご確認いただければと思います。