こんにちは!
前回は創業のための資金調達方法についてお話ししました。
第2回はこちら
いくつか資金の調達方法はあるものの、メリット・デメリットがそれぞれありましたね。
そんな中でも、創業の際に多く利用される資金調達方法は金融機関からの借入です。
「借入」というと、多くの人はあまり良いイメージを持っていない方もいるのではないでしょうか。
ですが、借入自体は皆さんの知っているような大きな企業であっても普通にしていることであり、業績が良くても借入を行っている会社は多くあります。
借入は、正しい知識としっかりとした返済計画さえあれば、事業運営の強力な味方となってくれるのです。
ただし、曖昧な知識のまま、ずさんな返済計画の基借入を行ってしまうと、返済が出来ずそのまま倒産、などというような大変な目にあってしまいます。
そのため、今回は借入を効果的に行うための「借入についての正しい知識」というテーマでお話ししようと思います。
【なぜ借入を行うのか】
なぜ多くの企業は借入を行うのでしょうか?
単に資金繰りが苦しく借入をして何とか乗り切ろうとしている、そういったケースもありますが、借入を上手に利用することで円滑に事業を進めることができます。
借入自体にもメリットがあるのです。
以下にそのメリットを挙げてみます。
創業準備のための時間を短縮することができる
全額自己資金での創業を目指すとなると、当然のことながら貯金をする必要が出てきます。
現在皆さんは月にいくらくらい貯金することができるでしょうか。
そして、仮に創業資金が500万円必要だったとすると、何年くらいで貯金が500万円に達するでしょうか。
個々の収入額によりますが、気が遠くなる人もいるのではないでしょうか。
本当に強い気持ちを持っているならば、何年かかろうと創業資金を用意することは可能でしょう。
しかし、借入を行うことができればその「数年」を短縮することが可能です。
「時は金なり」という言葉があるように、物事においてスピード感が重要となる場合もあるのです。
返済後に再び借入を受けやすくなる
一度完済すると、次回以降に借入が必要になった場合に審査が通りやすくなります。
完済したという実績があるため、貸す側からしてみても安心して貸し出すことができるのです。
そのため、様々な状況の変化によって事業が大きく傾いたとしても、以前借入した分を再度借り入れて難を逃れるということも可能となります。
完済することで、借入額分の「与信枠」のようなものがつくイメージです。
事業の成功確率・本気度が高まる
借入を行う場合は、金融機関等に事業計画書を作成して提出するケースがほとんどです。
事業計画書には、自身のやりたい事業の具体的な内容や、創業やその事業の継続に必要な費用、数年単位での収支計画などを記載します。
そのため、改めて自身の考えている事業を見直して、文書にまとめる機会となります。
自分の事業を他人に説明する必要があるので、曖昧だったものを明確にしていくことができ、計画そのものがより現実的なものにブラッシュアップされていきます。
そうすることで、事業の成功確率は上がり、事業に対する本気度も高まっていくのです。
しかし、借入は当然メリットだけではありません。
当たり前ですが返済をする必要がありますし、毎月の返済額は変わらないことが多いです。
ですが、事業の種類によっては、季節的な変動があったり、そもそも受注がなかったりして収入がなくても返済の義務はあります。
綿密な返済計画を立てた人たちが上記の様な恩恵を受けることができることを忘れないようにしましょう。
【そもそも借入なんてできるのか】
ここまで借入の利点についてお話してきましたが、そもそも自分には借入なんてできるのか、とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から申し上げると、下記のいずれか、または両方が認められれば借入ができる可能性はあります。
・創業予定の業種での実務経験が豊富
・現実的で確かなデータに裏付けされた、売れる見込みがある
これらを事業計画書にわかりやすく・的確に伝えることができれば、誰でも借りることが可能です。
また、こちらのデータをご覧ください。
出典:日本政策金融公庫(https://www.jfc.go.jp/n/company/national/condition.html)
このデータは、日本政策金融公庫が公開している、融資実績の推移となります。
毎年約40万件近い事業者が、融資を受けています(令和2年度はコロナ禍の影響で倍以上増加していますが…)。
そのため、借入なんてそんな簡単にできないと悲観する必要はないのです。
いかがだったでしょうか。
本日は金融機関からの借入に焦点を当て、お話しさせていただきました。
借入は知識としっかりとした返済計画さえあれば、あなたの事業を助けてくれる心強い味方となります。
もし現在創業を計画していて、資金の準備に苦労しているなら、借入を検討するのもいかがでしょうか。
次回は、実際に借入を行う場合の具体的な借り方についてお話ししたいと思います。