請求代行

趣旨

コロナ禍の業務のデジタル化・リモートワーク化の要望により、決済業務(支払、請求)について、外部委託化・クラウド化等を行う新しいサービスが登場・認知度を得ています。

それぞれのサービスの違いや留意点について、まとめてみます。

サービス区別

大きく①請求業務のデジタル化・外部化を進めるものと、②付帯する売掛債権等の保証・早期入金を行うものとがあり、サービスによっては一体化されています。

自社に必要なサービスがどの範囲であるかを確認する必要があります。

 
①請求業務の外部化

目的:請求業務(与信・請求書発行・代金回収・入金管理・督促)を外部事業者に委託することにより、
内部コストを下げる+回収率の向上を図る。

 
②売掛金の保証・買取

目的:売掛債権を譲渡することにより確実に入金を受ける。資金繰りの改善または与信管理の業務改善。
似た名前のサービスに収納代行、決済代行というものがありますが、
こちらは主にネット取引におけるクレジットカード等での支払い方法を追加するものです。

決済代行のなかでコンビニでの支払いを追加するものを特に収納代行と呼ぶことが多いようです。税金等の支払いから始まったためこれらを特に収納代行と呼ぶこともあります。

  

  請求代行 決済代行 収納代行 売掛保証
内容/対象 請求業務の委託/
アウトソーシング
決済方法の追加
(クレジットカード等)
決済方法の追加
(コンビニでの支払い)
売掛金の買取/保険
主な取引 BtoB BtoC(ネットショップ) ①公共料金・税金
②BtoC(ネットショップ)
BtoB
料率イメージ 3%前後 3%前半 1.5%+135円/件(例) 2~9%


事業者比較

A)請求代行

 

請求代行 MF決済 NP掛払 paid
固定費 0 12,000 0
保証料率 ~3.5% ~2.9% ~3.0%
その他従量 0 0 1件100円
規模感 概ね小額中心 ネットショップ小額中心 大規模も可
特徴 早期入金サービス有(債権買取) 通過率98% 早期入金/
売掛保証サービス有
1社上限額 1000万円 300万円 1000万円
月額対応 2か月分まで 1か月分まで 1か月分まで
導入規模 累計取扱高300億円 利用社数2300社超 年間流通額590億円 利用社数4000社超

ネットショップの決済手段の1つとしてコンビニ払いや後払いがあり、当該ニーズに対応することを中心にNP掛払のサービスが利用者数を伸ばしていたようである。

これとは別に、コロナ禍の請求業務DX・外部化等のニーズ台頭や与信管理上の必要性から
MFKESSAIやpaidが請求業務のアウトソーシングとしての扱いを増やしているように見えます。

B2B企業が請求業務を外部化を検討する場合、サービス形態(大規模取引が多いか否か)や月額取引の有無等を考慮してサービスを使う必要があります。

複数サービスを併用することは不可能ではないものの、オペレーション上は複雑となる可能性があるため、事前に自社にあったサービスであるか否かを見極める必要があります。

B)売掛保証

売掛保証 T&G売掛保証 URIHO GMO BtoB
売掛保証
固定費 0 9,800 9,800
保証料率 2% (固定費の範囲内) (固定費の範囲内)
規模感 上限個別見積 合計1000万円まで
固定費増で増額可
合計1000万円まで
固定費増で増額可
特徴 取引ごとに設定 合計額での保証
(与信は1社単位)
合計額での保証
(与信は1社単位)
1社上限額 総額に準拠 50万円 50万円
月額対応 1か月まで 1か月まで 1か月まで

売掛保証サービスは売掛金の債権保証を外部企業が行うものであり、保険商品の1種です。前述の請求代行サービスと組み合わせや毎月固定額で一定の取引額までを保証してくれるサービスがあります。

本質的には保険商品であるため債権が未回収であることが確定した場合のみ(法的倒産に限る等)保険金が支払われるものです。また保険サービスのみを利用する場合には、請求書は自社からの送付となります。